#25 自動化に伴う BOIの投資奨励制度について①


Date:

August 28, 21

日はタイの投資委員会(BOI)の投資奨励制度を紹介します。

この制度を利用することで様々な税制上の優遇措置が得られるようです。
弊社のお客様 またそれ以外の企業様で今後自動化、ロボット、デジタル分野へ
新規投資を検討している方々の参考になればと思い、概要を簡単にまとめてみました。
 

「効率向上措置」と呼ばれるBOIの特別措置の概要

BOIが設定した5つの分野における投資に対し税制優遇が与えられるというもので
もともと2020年までの特別措置だったものが、各企業より高い関心が寄せられ2022年まで延長されたもの。

昨年までは、太陽光パネル設置などの、省エネ、代替エネ分野が多かったものの、
”自動化設備やロボット導入、新たにデジタル技術分野”が加わり申請対象の幅も広がりました。
 
BOIが奨励する5つの投資分野
第1の措置: 省エネ、代替エネルギー分野への投資
第2の措置: 生産効率向上のための自動化、ロボット、機械入れ替えの投資
第3の措置: 研究開発、エンジニアリングデザイン分野の投資
第4の措置: 国際的な持続可能性認証の取得への投資(GAP認証、SDGs絡み)
第5の措置: デジタル技術導入への投資

 
当方が扱う“自動検査機や自動化設備“は第2の措置
品質管理システムの“LINE QC SPECISLIST”は第5の措置に該当するようです。
 

投資奨励対象の8業種
・農業、農産品
・鉱業、セラミックス
・軽工業
・金属製品、機械、運輸機器
・電機。電子機器産業
・化学、紙、プラスチック
・サービス、公共事業
・技術及びイノベーション開発
 
弊社のお客様に多い金属部品を扱う企業は第4類に分類(添付資料34ページ)され
https://www.boi.go.th/upload/content/BOI-A%20Guide_EN.pdf
ネジ(Screw)の製造は業種「4.1.3 」に該当するそうです。

自動化に伴う BOIの投資奨励制度について①
 ▲ネジ製造ラインに自動化検査機械を導入する際の区分

投資奨励対象業種の企業が上記5つのいずれかの分野へ投資を行う際 この制度が適応となります。


 

BOIの恩典/ BOI Incentives

投資に対する税制上の優遇措置は以下の通り。
 
・機械輸入税の免除
・投資金額の50%を上限として、法人税を3年間免除。

(国内の自動化機械設備が30%以上である場合、100%を上限とし法人税を免除)
 
例えば、1000万バーツの自動化設備を投資して
その50%分の500万バーツの 法人税免除を3年間享受できるのは節税対策としてもかなりおトクです。


この制度で得られた & 節約できた利益を更なる今後の投資拡大、
配当金支払い、賞与支給に繋げてもらう狙いですね。
 

最低投資金額

一般の場合:100万バーツ(土地代および運転資金を除く)
中小企業の場合:50万バーツ(土地代および運転資金を除く)

※中小企業の資格:年間収入が5億バーツ以下、タイ国籍株主比率が51%以上
 

その他の条件

自動化機械を導入する企業(被奨励者)が個別にBOIへ申請する必要があります。
BOI企業/NON BOIは問いません。
奨励発給日より3年以内にプロジェクトを計画通り進行させ投資を完了する事。
既存の生産ライン・設備体制に対し、どこまで製品/サービスの単位当たりのコストの削減、
および歩留まり(Yield)の向上が出来るかなど細かく指標を示す必要がある。
・2022年の最終営業日までの申請案件が対象。

 

自動化システムによる効率向上プロジェクトの例:

(第2の措置: 生産効率向上のための自動化、ロボット、機械入れ替えの投資編)
 
例:
・自動はかり、自動梱包機、自動縫製機械など。
・自動化システムと連携する制御プログラムを有する無人搬送車(Automatic Guided Vehicle: AGV) など。
・製品検査または生産実績分析用のデータ記録のために (既存または新規投資)機械に合わせた
無線または有線接続型のセンサーシステムの導入など。あとは、工場設備のIOT化を進める設備など。

 
独自のソフトウェアで現場を監視し、量産データを解析する品質総合監視システム
“LINE QC SPECIALIST”も該当するか、現在BOIに確認しています。

 

という事で 色々と審査基準はあるようですが、
投資金額の50%を上限とした3年間の法人税の免除など、税制上の優遇はかなりメリットが大きく、
基本 どの業種でもOK、申請時点で対象業種に該当し、事務局のNegative listにのってない事、
またBOI/NON BOI企業でも難易度、手続きに違いはない
という事なので、
確実に利用すべき制度であることは間違いなさそうです。

 
個別に相談できるBOIオンラインクリニックもあるそうです。
関連のリンクを貼付しておきますので、皆様の会社が該当するか確認しながら
今後の設備投資の計画を練ってみるのはいかがでしょうか?
 (企業様によって諸条件が異なることも予想されるため、まずはBOI相談窓口での確認をお薦めします)

この制度が皆さんの事業発展の更なる起爆剤になればと思います。
【資料】: 日本語パワポ
【資料】: タイ語パワポ
BOI録画】:Youtube
【関連資料&日本語相談窓口】:リンク
BOIオンラインクリニック: https://booking.boi.go.th/index_en.php

次回以降も申請方法や必要書類など随時アップデートしていきますので参考にしていただければと思います。

それでは、今週も素敵な1週間にしていきましょうね♪

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